Inside Robocon(3)

連載形式にしてしまったので、10回ぐらいは続けたいなぁと考えてます。で、今日のネタはルールの変化と、将来のロボコン
ルールの変化と言えば、一番大きかったのは有線操縦の禁止でしょう。これは2001年のHappy Birtyday 39から始まったルールです。無線操縦というと、電波が無線の代名詞のようなものです。しかし、それは禁止となっています。赤外線、音声、可視光、自律制御といった操作方法のみというように制限が加えられました。その中でも、一般には赤外線が用いられます。これは、赤外線の送受信モジュールが簡単に手に入り、また資料も豊富なためです。
さて、無線になって試合がどう変わったかというと、大して変わってません。ただ、混信という問題が発生するようになりました。また、回路班に要求される技術も高度になりました。以前は最低限であればリレーだけで誰にでも作れたような回路だったのが、いまやPICやH8などのワンチップマイコンが欠かせなくなっています。ルールの変更は、回路に関する技術の向上を狙ったのではないかとも考えられます。線を無くしてマシンの操縦性を上げるという面では特に有線のときと変わった気はしません。以前にもマシンがフィールド上を走り回るルールはありましたが、それと比べて何か良くなったかといわれると疑問です。ただ、プロジェクトBOX、鼎と、無線になって2回目、3回目の大会では、階段が登場するフィールドだったので、これを見越しての無線化とも考えられます。特にプロジェクトBOXでは階段がゆうパックだったので、人が階段を降りてマシンを追いかけることができません。まぁこの程度で無線化されたら回路班はやってられませんが…。ただ、無線でなければ不可能なマシンはいくつか現れました。極端なのは昨年エキシビションで全国に出場した上州大回転。マシン全体が何度も前に回転するので、線があったら大変なことになりそうです。また、プロジェクトBOXでデザイン賞を受賞した歩くんです(卵型)も、マシンが転がるため、無線でなければ困難だったと思われます。
今年は本体を動かせる範囲で特に無線である必要がある場所はありません。ただし、暗に無線の次のルールが登場しています。それはメッセンジャーボールです。これは事実上自律制御です。数年後には自律制御がルールに組み込まれるのではないでしょうか。そうなれば、大会のレベルも大学ロボコンに近づいてきます。ここで、ちょっと飛躍しすぎですが、NHK高専と大学を争わせようと狙ってる可能性も出てきます。ロボコンに参加する高専生はルールに従わざるを得ないので、難しいルールにも苦戦しながら対応するでしょう。大学と高専が肩を並べるようになれば、高専の地位は非常に上がるのではないでしょうか。NHK高専に恩を売る義理は無いと思いますが、こんな考えがあってもいいと思います。NHKの利点と言えば、ルールを考える数が減るというあたりですかね。