これは書くしかないわけですよ

ナナオのカラーユニバーサルデザイン対応ワイドモニターが欲しい!

↑のリンク先について書かずにはいられませんでした。だって自分、色弱ですから。最初に書いておきますが、自分では自分が色弱であることをネタ程度にしか思ってないのであしからず(とはいっても去年教習所入るときはヒヤヒヤでしたが……健常者には分かりにくいでしょうね)。

ここ数年は結構積極的に色弱アピールしてます。そうじゃないと後で困ることがあるというのが分かってきたからです。まず1つ目に、色弱は自己申告しないと分かりにくいものです。目が見えない、見えにくい、また耳が聞こえない、聞こえにくいというのは、日常生活に関わるので比較的すぐに他人に露呈します。しかし、色が分かりにくいというのはなかなかそうは行かないものです。「ちょっと茶色の服取って」とかいうことでもなければ分かりません。それで色弱を知られていない状態のまま、友人の家に行くときに「うちは茶色の屋根だから」なんて言われたら、迷うに違いありません。

とまぁ一般論は書いてもきりがないので、今回の件に的を絞って。ITmediaの記事に感想を書いてくださいねと書いてあったので、そうしてみます。

まず最初の節、「色弱者は日本に300万人以上もいる」に出てくる野菜の写真。ほぼ区別がつきません。写真についているキャプションが「ピーマンの色の見え方もこんなに違う(左が一般色覚、右がD型色覚の例)」というのが皮肉にも笑えてきます。想像に想像を重ねて、憶測から言ってみると、もしかして真ん中のピーマンが左だと赤、右だと緑だったりするんでしょうか。これで正解だったりすると「なんだ、やっぱり君、色弱じゃないじゃん」と誤解を招いてしまうから厄介です。下のほうに出てくるカラーパターンみたいなやつも、半数以上が左右同じに見えます。日本人の300万人が色弱だそうですが、たぶん自分はその中でも弱度のほうではないだろうなぁと思ってます。

次の節、「情報の伝達手段としての色とカラーユニバーサルデザイン」は本当に大事な問題です。何しろ自分には夜間の信号がまったく分かりません。夜間信号の点滅に赤と黄色があるのを知ったのがなんと23歳の春です。もちろん言われて気づいたのであって、自分では今でも集中して注目しないと分かりません。LED信号はもっと分かりません。意味のない色、極端な話、絵などの色はどうでもいいんです。重要なのは情報を含んだ色です。

携帯電話の画面はもちろん、以前はモノクロ液晶が使われていたさまざまな電子機器のディスプレイもカラー化が進んでいます。電子機器のインジケーターとして広く使われているLEDも何色も出せるようになり、色の変化で多くの情報を伝えようとする製品も増えています。街に出れば建物の案内図や駅の路線図、券売機、ATM、さまざまな広告、また、新聞、書籍、Webサイトなどなど、色があふれています。

その通り、これらが問題。多彩な色で表そうとするあまり、赤、茶色、緑、こげ茶の4色の線が路線図に表示され、どれも同じに見えてしまうというのが結果です。番号がついてるからまだましですが。

「rightと言われたら右手を挙げ、lightと言われたら電気を点けてください」と言われたら、日本人がどう行動するか。色弱者が、少なくとも自分が体験しているのはこれと同じことです。そして面白いのは、これが文脈を持った途端にどちらか分かってしまうことです。「ターントゥーライト」と言われて電気を点けることはないでしょう。これと同じく、色弱者でも、ある程度の年齢になれば三つ葉のクローバーが茶色くないことぐらい分かります。そうやって、分かったような分からないような曖昧な状態が続いているわけです。