Inside Robocon(4)

さて、昨日はルールの話と言いつつほとんど無線の話に割いてしまいました。今日は必勝ルールについて。なんか、最近の大会は、あまり熱くない気がします。熱いマシンもあるんですが、基本的には地味。技術の向上を目的とするなら仕方ないんですが、大衆受けを狙ったりして視聴率を稼ぐためならば、もうちょっとダイナミックでアクロバティックで熱い試合にしてほしい気がします。で、試合が熱くならない原因の1つとして、必勝ルールがあると考えています。
ロボコンは、ロボットコンテストというタイトルですが、その前に、「アイデア対決」という言葉がつきます。アイデアには、必勝アイデア、無難なアイデア、ネタアイデアロボコン大賞狙い)など、いくつか種類があります。去年の場合だと、無難なアイデアで代表的だったのは、アームでオブジェを操作するマシンでしょう。ロボコン大賞狙いは、ちょっと難しかった気がします。個人的には小山のましゅまろん(マシンのダイナミックな変形、ユニークな見た目)にロボコン大賞をとってほしかったんですが、早々に航空の大食鉄鋼人に敗れてしまったので、印象に残らなかったのかもしれません(なぜ地区大会で当たったのに再び…と組み合わせに対する不満もあったり)。必勝アイデアも、同様に難しかったと思いますが、実はこれがルールの上で重要な気がします。去年の大会が(個人的に)面白かったと思う理由は、ここにあると思います。その前のプロジェクトBOXでは、必勝できるトルネード(ゆうパック15段重ね)が存在しました。しかし、トルネード狙いのマシンは、無難に勝つことが難しくなります。これは製作者が非常に迷うところで、万が一トルネード狙いで製作を進めて失敗すると取り返しがつきません。これが、万が一とかいう確率ではないのが怖いところです。そもそもゆうパックを15段重ねること自体が困難ですから。
もっと昔にも必勝ルールは存在しました。00年の「ミレニアムメッセージ」では、3つのオブジェを置き、1つの可動オブジェが機能して成立する「パーフェクトパフォーマンス」が、99年「ジャンプトゥーザフューチャー」には、本体が到達できないところにあるスポットと床にオブジェを置くことで成立する(失念!Vゴールとか、そういうの)がありました。必勝ルールは確かに試合は面白くなります。しかし、必勝を狙ったマシンと、地道に得点を重ねるマシンの対決は、どこか次元の異なった、まるで別ルールのような対決となってしまっている気がします。必勝マシンは自分の必勝パターンを実行するために、黙々と動作する傾向があります。そのため、相手とのからみがないので、試合が熱くないのではないかと思うわけです。ミレニアムメッセージはそもそもフィールドが別々で、マシン同士が交錯すること自体がありえませんでした。そして大抵のマシンがパーフェクトパフォーマンスを狙っていたため、それなりに盛り上がっていたとは思います。
今年は、一見するとオリンポススポットにローバーボールを置けば必勝です。しかし、ルールをよく読むとそうではないことがわかるはず。明日の地区大会はどうなるのでしょうか…
とりあえず、同期が少し語っているので捕捉しときます>id:nsaeki:20041016