Inside Robocon(5)

だいぶ間があいてしまいました。前回の最後に、スポットにローバーボールを置いても必勝ではないと書いたのは、上空を利用するというということです。関東甲信越の決勝(それ以外でも)で起こったと思われる状況ですね。つまり、今年のルールは、最高得点で同点になる可能性があるという少々厄介なルールです。そのため、全国では再試合が多く行われると思われますが、それはちょっと甘いです。
ロボコンには、その暗部とも言える妨害があります。数年前には露骨な妨害が行われ、問題にもなりました。マシンでマシンを押さえつけるのは、極端な例です。自由に動かせる子機がルール上認められれば、その子機で相手の進路を妨害して動けなくし、あとは悠々と本体が得点することができます。ここでルールの穴と言えるのは、相手の進路を妨害しているところです。通常、ルール上はマシン同士が意図的に接触することは認められていません。しかし、進路妨害は触れていることにはなりません。妨害されている側のマシンが無理やり突っ込めば、それは意図的に相手マシンに触れたということになります。もちろん審判も臨機応変に対応してはくれるでしょう。ルールでは、アイデアマンシップに反する行為は禁止されています。しかし、そのような抽象的な表現ではなく、具体的なルールによっても妨害は推奨されていません。例えば、糸のようなものでつながれたマシンは分離とみなし、ルール違反とするといったものです。また、今年のように、子機を操縦者が操縦できないというのは、進路妨害を防ぐ手段であったと考えられます。さて、そのような状況でいかに相手の得点を妨害するか。今年の場合多く見られるであろう妨害は、オリンポススポットの隠蔽です。速攻でオリンポススポットの周りを覆ってしまえば、直接スポットにローバーボールを設置するタイプのマシンは苦しくなります。しかし、先述したとおり上空を使えば、距離が0の点にローバーボールを置くことができます。スポットを覆って上空にローバーボールを置けば、勝つ確率は高いでしょう。スポットを覆うことができず、相手が0点であっても、再試合にすることができます。そのため、今年はスポットを覆われても良いマシンが有利だと思われます。もちろん、スポットを覆われる前に速攻で決めても大丈夫です。スポットを覆うのは確かに妨害行為ということも出来るでしょうが、それでも勝つことが出来るマシンが作れるという点で、今年のルールは良く出来ていると言えます。ある最悪の妨害を除いては…